見る人がおもわず想像したくなる「記憶にリンクする写真」のポイントと撮影方法

こんにちは。京都を中心に写真を撮っているRiki(@riki_s7_)と申します。

前回の記事では、京都での一日をコーディネートするように、撮影スポットと撮影方法について書かせていただきました。

今回は、京都の撮影スポットにも触れながら、私自身の写真表現に対する考え方や、その撮影方法についてのお話しをさせて頂きます。

今回の記事でお話しするテーマは【受け手の記憶にリンクする写真】です。端的にいうと「共感指数の高い写真」のことを意味します。

「写真」の持つ機能と「表現」

醍醐寺

写真の持つ機能とは

まずは簡単に「写真」の持つ機能について考えてみたいと思います。

私たちの身近にある「写真」というものは、旅先で訪れた観光地や友人との集合写真など、「記録」を目的としたものが多いですよね。卒業アルバムや、スマホのカメラロールには、これまでの軌跡が「写真」として記録されているはずです。

一方で、写真家が撮る写真というものは、そのほとんどが「作品」「表現」のために撮影されています。つまり、「私」だけでなく「誰か」に見られることを前提とした写真です。

(他にも、料理のメニューや旅館の雰囲気など「情報」を伝えるための写真もありますが、ここでは割愛します。)

宮川町

誰かに見られるための表現

「表現」に関しては十人十色、様々な考え方があります。

「誰も見たことがないような絶景を共有したい!」

「クスッと笑ってもらえるような、ユニークな作品を撮りたい!」

「光と影を活かした、テクニカルなスナップ写真を共有したい!」

「誰よりもオシャレに、美味しそうなフードフォトを撮りたい!」

このように、「表現」の目的は人それぞれ、多岐にわたります。そして「表現」には必ず、その人の思考が宿ります。

「表現について考えたことなんてない」という方も、自分自身を因数分解してみると、表現の根底にあるものが見えてくるはずです。

そんな数ある表現の中で、私が好きな表現の一つが「受け手の記憶にリンクする写真」です。

「受け手の記憶にリンクする写真」

先斗町

一体、「受け手の記憶にリンクする写真」とはどのようなものなのか?

私の考えとしては、過去に訪れた場所を思い出したり、行ったことはなくても、どこか懐かしさを感じるような写真。そんな写真のことを「受け手の記憶にリンクする写真」と捉えています。

では、どのようにして受け手の記憶にリンクすることができるのか? 

町の自然体を意識する

それは、無意識のうちに誰もが見ているであろう風景、いわゆる「町の自然体」を表現することです。

伊根町

町を構成する要素は、建築、服装、天気、季節、施設、道路、看板、お店、海、山など、たくさんあります。私の場合は京都を撮影することが多いので、建築や自然、店先の提灯、町人の服装などを意識的に撮影しています。

ポイントは、町の特徴をただ写すだけでなく、人間が視覚的に見ているであろう視点をなるべく自然に捉えることです。

私が考える「記憶にリンクする写真」とは、発信者側と受け手側の共同作業によって成立する写真のことを指します。つまり、写真を見る側が“想像力を働かせたくなる写真”にする必要があるのです。

そこで、普段私が意識しているポイントと撮影方法を、作例を交えながらご紹介させていただきます。

いずれも、京都だけでなく様々な地域で活用できるものばかりなので、ぜひご自身の撮影にも取り入れてみてください。

見る人に想像力を働かせるためのテクニック

写真に人を入れる

「町の自然体」を強調する要素の一つが「人」です。

複数名を入れるのではなく一人、あるいは夫婦やカップルだけをフレームに入れることで、町人の存在を強調させることができます。

知恩院
美山町

手前に人を入れる

人が肉眼でものを見たときのイメージを写真で再現します。

観光地や人の多い地域などでは、人と人の間から覗き込むような場面も多いので、そのシチュエーションを写真で表現してみましょう。

伏見稲荷大社
京都タワー

所作を意識する

人を写真に入れる際には、できる限り所作まで意識して撮影してみましょう。

見る人が思わずその先の行動を想像してしまう様な所作を写すことで、想像力を掻き立てることができます。

清水寺
先斗町

シルエットで捉える

被写体を逆光気味に撮り、シルエットを強調してみましょう。

物語のワンシーンのようになるため、見る人の想像力を掻き立てることができます。

清水寺
八坂の塔(法観寺)

町を歩いた時の視線を想像する

歩いている時に、何に目がいくのかをご自身の目で観察してみてください。

私の場合は、店先の提灯や壁にできた陰影に目がいくことが多いので、それらを意識的に撮影しています。

またSNSに投稿する場合、組み写真の一つに取り入れることで、実際に歩いているようなリアリティを表現することができます。

花見小路
川端通り

ボケ写真の背後を意識する

写真表現の一つに「ボケ」がありますが、ただ被写体をボケさせるのではなく、背後に映り込むものも意識してみましょう。私の場合は人を背後に入れ、町の空気感を演出することが多いです。

先斗町
宮川町

今回は、すぐにでも取り入れられる6つのポイントについてご紹介させていただきました。いずれも、手法としては誰しもが知っているものばかりですが、目的と機能について理解することで、見る側の意識を意図的に誘導することができます。

ぜひとも皆さんの撮影スタイルにも取り入れていただき、物語を編むように写真を撮影してみてください。写真で表現することを、より一層楽しめるきっかけになれば幸いです。

八坂の塔

終わりに

最後に余談ですが、私がこのような写真を好んで撮るようになったのは「音楽」が根底にあります。

人は「音楽」を聴くと、その音楽を聴いていた頃のことを思い出し、人に「昔この曲を聴いていた頃はさ〜」なんて話しを始めます。その話しを聞いた人も「実は私も当時は〜」と話し始め、音楽を軸に、思い出話のキャッチボールが始まるのです。

音楽は、私たちの記憶をしまいこむ“タイムカプセル”のような機能を持っています。その蓋を開けることで、人それぞれの持つ記憶を、周囲の人たちとシェアすることができるのです。

私は、このタイムカプセルのような機能を、写真で表現することはできないか?と考え、このような表現方法を好むようになりました。私の写真をみて下さっている方にも、何かしら感じていただけるものがあるのなら、嬉しい限りです。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。楽しい写真ライフを過ごしましょう!

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Riki
Riki
京都在住 | スナップ写真をはじめ、年間約60本の音楽イベントを撮影するフォトグラファーとして活動
Riki
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