ふとした日常のシーンを輝かせる3つのアプローチ

はじめまして、街の情景を写真に残しているイノウエ(@metaphor_472)です。

今回は身近にある街、そして日常といったものを情景的に表現するために私が実践している3つの表現的アプローチをご紹介したいと思います。

このコロナ禍において観光地であったり、非日常的なシーンを撮りに行くことができない人も多いと思います。そんな今だからこそ、身近なところに目を向けて素敵に表現してみてはいかがでしょうか?

身近な場所を撮るようになったきっかけ

私は都内の大学に通っており、カメラを買ってすぐの頃は東京のシティースケープをとっていました。

しかしコロナの関係で授業がオンライン化し、地元にいる時間が増えました。

シティースケープを撮ることは諦めても、やはり写真を撮りたい思いがありました。

当時SNSでは夜景や絶景の写真が溢れていました。そこで「あえて何もない地元の街をどれだけ素敵な写真に残せるか試してみよう!」という思いに至ったのがきっかけです。

何ともないシーンを輝かせる3つのアプローチ

ここからは本題の“どうしたら地味なシーンを素敵にできるのか”について、私が実践してきた3つの表現方法をご紹介していければと思います。

実際の作例も合わせて参考にしていただけると、よりイメージが湧くと思います!

アプローチ①・シネマティックに表現してみる

最初に紹介するアプローチは、シネマティックに表現してみよう!ということです。

前提は何ともないシーンです。もちろん何か映える被写体は特にありません。

じゃあ何か物語を想像させるような写真にしてしまえばいいんです!!!

ないものは仕方ありません!表現次第で作り出せるんです!

細かい技術云々はここでは長くなりすぎるため、映画表現のポイントだけを。

  • コントラストを適切にして、写真の質感を高める。
  • 見た時に目が疲れないような、落ち着いた色味にする。
  • サイズを2.35:1の比率にする。

映像はいかにリアリティがあるかが重要です。

厳密に言えば映像の中のディテールを繊細か否かで引き込まれる度合いも違ってきます。また映画って意外と色味が落ち着いていて、そこにも寄せます。

2時間映画で全シーンの彩度が高くて、かつ三原色!って感じの色味だと目が疲れちゃいますよね。笑

アプローチ②・フレア・ゴーストでエモーショナルに。

次に紹介するアプローチは、フレア・ゴーストを使ってエモーショナルにする表現です。

まずフレア・ゴーストとはなんぞやと思った方もいると思います。フレアとは上の写真の虹色の光の輪で、ゴーストとは同じく写真の左下のオレンジのまん丸のことです。

このフレア・ゴーストが出るだけで、何ともないシーンでもグッと哀愁あふれる画作りをすることができます。

フレア・ゴーストを出すためにはオールドレンズと言われる昔のレンズがおすすめです。

最新のレンズですと、逆光への耐性があるように作られているためフレア・ゴーストはあまり出ません。比べて昔のレンズは造りが甘く、こういったものが出てしまうわけです。

フレア・ゴーストはレンズによってかなり違いがあります。

白や虹色のフレア、オレンジや赤色のゴースト、というようにレンズによって色や質感が変わってきますので、いろいろなオールドレンズ を試して個体差を楽しむのも良いですね!

オールドレンズは高級なものを除けば、多くが1万円を切る値段なので手が出やすいです。

自分は1967年に発売された、YASHICAという会社の

YASHINON DX 50mm F1.7 を使用しています。

こちらは作例通りフレア・ゴーストがかなり出ますので、使いづらさもありますが作品撮りにはもってこいのレンズです。

アプローチ③・フィルム写真のようなレタッチ表現

最後はフィルム写真のようなレタッチをして、少し懐かしい画作りにする表現です。

なにもない場所であったり、日常のワンシーンであったりするものはこの表現と相性が良いです。

現代に生きている私たちはフィルム写真をみることは基本的には無くなっています。

しかしそんな中で生きているからこそ、普段とは違うフィルム写真を見ると

「昔の写真だ」さらに現代の人が思うのは「なんかこれエモいな」ということだと思います。

Instagaramでフィルム写真のフィルターが追加されたり、フィルムで撮ったような質感のMVが近年で増えたり、はたまた「写ルンです」の売り上げがあがっていたりと、とにかく若い世代でのフィルム写真の流行がその感覚を裏付けていると思います。

フィルム写真のようなレタッチのポイントは

・シャドウ(写真の暗い部分)に緑などの色をのせる
・粒子をのせる
・コントラストを高くする
・彩度は高くしすぎず、少し抑える

かなりフィルム写真の特徴としては、フィルムによってシャドウ部分に色が乗っていることが多いです。緑色が入っていることが多いですね。現代のSNSでは彩度高めの写真が流行っているのですが、フィルム調のレタッチでは抑えて淡くすることが大事です。

まとめ

長くなり、簡単にまとめます。

日常のシーンを素敵にする表現としては

①シネマティックな表現
②フレア・ゴーストを利用する表現
③フィルム調のレタッチ表現

今回ご紹介した表現は初心者の形でも実践しやすいものであるので

ぜひ日々のご自分の写真表現に取り入れていただければ幸いです。

コロナ禍で自粛は続きますが、身近な日常を目を向けて素敵に表現して楽しむことで何とかこの状況をみんなで乗り切りましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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