明暗差を活かしたストリートフォトの現像法
皆さんこんにちは、初めまして。福井県で主にストリートフォトを撮っているウチダコウスケ(@uk_zq)と申します。以後お見知りおきを。
現像作業とは
皆さんは写真を撮った後に現像の作業をされていますか?
ある程度写真を撮っている方の大多数は、現像作業を行った写真をSNSなどに投稿されているかと思います。
例に漏れず、私も現像後の写真を普段SNSに投稿しています。現像作業を行うことで写真の完成度を高め、自分の作風としての統一感や個性を表現することができます。
カメラを始めてみたけれど撮って出しでは物足りないと感じている方や、自分なりの表現をしてみたいという方は、ぜひ写真の現像に挑戦してみることをオススメします。
現像方法
今回は、タイトルにもあるように「明暗差を活かしたストリートフォトの現像法」ということで、私が普段から得意としている明暗差を活かしたストーリトフォトの現像部分に焦点を当てて、作例を交えながらお伝えできたらと思います。
前提としてデータはRAWで撮影したもので、現像ソフトはLightroomを使っての現像になります。(※スマホ版のLightroomでも問題ないですが、RAW現像するには課金が必要です。ちなみに私はスマホ版も使っています。)
ここでお伝えする現像法が少しでも参考になれば、是非皆さんの作品の中でも一度試していただけたらと思います。
私好みの写真が沢山見れるようになることを大変期待しています!(期待大…!!!)
明暗差を写真に活かすことでどのような効果が得られるのか
写真の中の見せたい部分に視線を誘導することができる
写真の中で一点に光が当たっていたり、ハイライトのラインが繋がっていたりすると無意識にその先へ視線を向けてしまいませんか?
明暗差を利用することで写真の中の見せたい部分に視線を誘導することができます。
上部の光が当たっている部分を通った通行人を見せたい写真です。
見せたい部分以外は影になっていて、一点にだけ光が当たっているので自ずと視線を誘導できます。
鉄骨の足場から漏れた光が奥に続いていて、このラインを追わせることで通行人のシルエットを見せたい写真です。とても分かりやすい視線誘導かと思います。
シルエットを使って写真の主題を明確にできる
ただ明暗差のある部分だけを撮っても、その場所を撮っただけの写真になってしまいがちです。
そこにシルエットを写すことで視線を集中させられて、写真の主題も明確にできます。また、写真に動きを付けることもできます。
手前から奥にかけて視線誘導のラインが伸びていて、その先にある2人のシルエットを見せたい写真です。視線誘導とシルエットを組み合わせて、とても主題が明確になっています。
パースのついた高架線と手前の光が当たっている部分にシルエットを置くとこで写真に動きを付けている写真です。
高架線のパースだけでも奥行きや動きを感じられますが、それだけでは写真としての主題は薄いです。
手前の光が当たっている部分にシルエットを置いて主題を明確にし、人の動きを付け加えて写真の中に動きや流れを表しています。
影の形を使って写真にインパクトを与えられる
明暗差といったら影ですよね。
その影の形を利用することで、インパクトのある写真にすることができます。
建物の影になっている部分と光が当たっている部分の境界線をはっきりさせる事でギザギザな影の形を作っています。
影の形としても面白いですし、案内板を眺める人のシルエットを入れる事で主題も明確にしています。
これはもう影の形がかなりインパクトのある写真ですよね(自画自賛)。
屋根の鉄骨部分の影があたかも降り注いでいるかの様な写真です。影の向きも右下の通行人に向かっているかの様に見えるのでとても面白い写真だと思っています。
以上の様に明暗差を写真に活かすことで、かなり見応えのある写真になっていると思います。
まあ、理由付けするかの様に書きましたが…要は“カッコイイ写真になる!!!”ってことです。笑(※あくまでウチダ個人の意見です)
明暗差を活かす現像法
さてここからが本題ですが、明暗差を写真に活かすにあたって、もちろん撮影時の構図や光と影の捉え方なども重要ですが、“現像でどれだけその写真の良さを引き出せるか”もかなり重要になってきます。
ここで普段の自分の現像の流れを元に、明暗差を活かすための現像をお伝えしていきます。
まずは、こちらの写真をご覧ください。
高架下を歩く傘を差した通行人を撮った写真です。
一応撮り手の意思としては、右の外側から入り込んでいる光と天井から左側の多少影になっている部分とで明暗差があり、その光が当たっている部分に人が通った瞬間を狙ってみたという感じです。
正直、撮って出しの状態では何を見せたいのか分かり辛いですよね…
この写真に明暗差を少しでも活かせるような現像をしてみると大体こんな感じでしょうか。
撮って出しの状態から比べてみるとかなり明暗差もはっきりとして、雰囲気も出てますし何を見せたいのか分かりやすくなったのではないでしょうか。
では、どのような現像を行ったのか段階ごとに説明していきます。
構図を整える
まずは、構図を整えるために線を揃えてトリミングを行っていきます。
線を揃えるのにはジオメトリを使っていきます。基本的に自動で大体は合わせてくれるので任せてしまいましょう。写真によってはかなり傾いてしまう場合もあるので使えるのは場面次第です。
構図がまだ甘いので少しトリミングをしてバランスを取っていきます。主題の通行人を真ん中のライン上にくるようにして上部の余白を調節します。
ここまでで構図が整いました。
明るさの調整
次に、明るさの調整を行っていきます。コントラストを高めるように調整を行っていきますが、注意点はハイライトが飛ばないようにすることです。
自分の場合、基本的にはトーンカーブを使って明るさの調整を行うことが多いです。この形のトーンカーブの設定にするとハイライトを飛ばさないように調整しやすいので多用してます。オススメ。
パラメーターは微調整程度ですが、シャドウ部分を締めるために黒レベルはかなり下げ目にします。
この調整で、ハイライトは落ち着いたままシャドウを落としてコントラストを高める事ができました。
部分補正
全体の明るさ調整ができたら部分ごとの補正をしていきます。
この写真の場合、部分補正無しのままでは、まだピンとこない感じがするのでもう少し主題がはっきりする様に調整していきます。
右側からの光が入り込んでいる感じを強調したいので、グラデーションフィルターをかけて上から左側の光量を落とす事で更に明暗差を付けます。
主題の通行人がまだかなり暗いので円形フィルターをかけて少し明るさを持ち上げます。
これでかなり見えやすくなったと思います。
部分補正の注意点ですが、当たり前ですけどやりすぎるとかなり違和感が出てしまうのでやり過ぎ注意です。
カラーの調整
最後に全体の色味を決めていく作業です。
色味に関しては個人の好き嫌いがはっきり別れるところだと思いますが、個人的にローキーなストリートフォトは彩度低めで寒色寄りの色味の方が尖っている感じというかクールな感じがするので好きです。
この写真も全体的に寒色寄りになるように調整していきます。この辺はかなり直感的な部分もあるのでとりあえずパラメーターを載せておきます。
実際の画面の色味を確かめながら色が破綻しないように調整していく事が大切です。
色の調整ができたら最終的な明るさの細かい調整などを行って完了といった流れになります。そして現像後の写真が最初にもお見せしたこちらの写真です。
このように現像次第で写真の印象をガラッと変化させる事ができますので、色々な現像ができるようになると写真の幅もかなり広くなると思います。(私もまだまだ勉強中です…)
余談ですが、最近Lightroomに追加されたカラーグレーディング(元々の明暗識別補正)の機能がかなり面白くて、色の入れ方によってはシネマチックな写真にもできるのでかなり気に入っている機能です。
いかがでしたでしょうか。
今回紹介した現像はあくまで私が気に入っている現像の方法なだけであって、他のやり方次第では写真をもっと個性的にしたり魅力的にすることもできます。
人の感性の数だけ写真の見せ方はあると思いますので、この記事を見てくださった方に何か一つでも参考となることを残せていれば本望です。
私自身も、まだまだ写真については勉強途中ですのでこれからも一緒にバシバシと写真を撮っていきましょう!
最後まで読んで頂きありがとうございました。それでは、また!
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