光の色表現を広げる、ホワイトバランスの理解。

こんにちは。はるきです。

こちらの記事をご覧の方の中には、ホワイトバランスを使いこなしている方もいれば、「聞いたことはあるけどイマイチわかってない」「感覚で触ってるけどどういった機能かは理解していない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

カメラ内であらかじめ設定することもあれば、撮影後のレタッチの工程で微調整することもある。そんなホワイトバランスを使いこなすことができれば、写真における光の色表現を広げることができます

今回の記事ではカメラ初心者の方に向けて、そもそもホワイトバランスがどういった機能なのか、そしてその応用まで解説していきますので是非ご一読ください。

ホワイトバランスについて

まずは、ホワイトバランスがそもそも何のために存在する機能かをご説明します。これを知るだけでも、あなたが日々悩んでいる写真の色問題が解決されるかもしれません。

ホワイトバランスは「白を白く」するための機能

ホワイトバランスとは、撮影環境で変化する光の色に対応して白を白に写すための機能です。

これだけではいまいちピンと来ないという方もいると思いますので、写真を使ってご説明しますね。

こちらは喫茶店の中で撮影した一枚です。何となくパッと撮ってみる、という経験は皆さんにもあるかと思います。しかし、お店のなかでストロボを焚くわけにはいきませんので、お店の照明の下で撮影すると、このようにオレンジっぽく写ってしまいますよね。これは、店内の証明の光が暖色のため、本来白いはずのクリームやカップもオレンジがかって見えているんです。

では、ホワイトバランスを調整するとどうなるか。

このように、撮影環境(お店の店内照明の暖色)によって変化していたクリームやカップの色が、本来の白を取り戻しました。

これが「白を白に写す」という考え方です。

色温度とケルビン(K値)について

ホワイトバランスについて説明するにあたり、欠かせない要素が「色温度」と「ケルビン(K値)」になります。

色温度とはホワイトバランスを構成する要素であり、字のごとく「色の温度」、写真に写る光源が発する色の尺度を表す言葉です。そしてこの色温度の高低を表す単位がケルビン(K値)と呼ばれています。

例えばSony α7Ⅲの場合、カメラ内でのホワイトバランス設定における「太陽光」は5800k、「日陰」は7150kなので、日陰の方が色温度が高い、という考え方になります。逆に、「電球」は2850kのため、太陽光モードに比べて低い色温度、ということです。

色温度の適正値は環境にもよるため、環境に応じてホワイトバランスを設定するか、撮影後の後工程で調整する必要があります。こちらについては「基本的なホワイトバランスの合わせ方」の項で解説します。

基本的なホワイトバランスの合わせかた

カメラ内でホワイトバランスを設定する場合、「カメラに自動で合わせてもらう方法」と「自分でカメラに指示を出す方法」の2つがあります。

自動で合わせる場合、ホワイトバランスをAWB(オートホワイトバランス)に設定します。これは、カメラが環境に合わせて自動でホワイトバランスを設定してくれる機能です。これ一つでも適正K値にそこまで大きな差異はありません。

AWB設定で撮影、K値は7500kだった。やや暖色が被っている。

自分で合わせる場合は、カメラ内のホワイトバランスから環境や好みに合ったホワイトバランスを設定します。日中の空の下なら「太陽光」、曇っていたら「曇天」、室内なら「電球」といったように、状況に合わせながら設定することで、適正のホワイトバランスに近づけることができます。

ホワイトバランス「曇天(6500k)」の場合。雲の白さと青空のバランスが良い。

撮影後に調整をする場合、現像ソフトやアプリにもよりますが多くの場合「色温度」の項目でK値を調整することで、暖色寒色の調整をすることができ、任意の色温度に設定することができます。

Lightroomでホワイトバランスを「昼光(5500k)」に設定。雲のシャドウに青味が出て明暗がハッキリしたが、全体的にやや青白い気もする。

「どの色温度が正解か」という判断は表現や好みによることもありますが、被写体にある白が崩れすぎていないことがひとつの判断基準とされることが多いです。

ホワイトバランスを応用した写真表現

ホワイトバランスの主目的は「白を白に写す」ことですが、応用することにより光の色をコントロールして写真表現の幅を広げることができます。

ここからは、Lightroomによるレタッチの工程でホワイトバランスを調整した、実際の作例をご覧いただきながら解説していきましょう。

寒色に振る

色温度を下げて寒色寄りにすることで、「朝日のような爽やかな雰囲気」「冷たくヒンヤリした質感」などの要素をより印象的に表現することができます。

こちらは大阪駅で撮影した望遠スナップです。左がAWBで撮影した色温度が6200kだったデータで、こちらをLightroomに取り込み色温度を5000kまで下げたものが右の写真になります。ガラスの透明感やコンクリートの無機質感が、より伝わりやすくなりました

こちらは春に撮影した写真です。夕方に撮影したもので、左がAWBで4700kでした。こちらをLightroomで4150kにした右の写真は、朝に撮影したような爽やかで涼しい空気感に包まれた写真になっていますね。

暖色に振る

反対に、暖色寄りにしたらどうなるか。暖色は「夕日のような温かい雰囲気」や、感傷的ないわゆる「エモい」感じにすることができます。

こちらは京都・清水寺で撮影した一枚です。左が5800kになります。これを、Lightroomで思い切って13000kまで色温度を上げたものが右の写真になります。背景の空や清水の舞台も暖色になり、夕日に包まれた一枚になっています。

夕焼けをバックに撮影したこちらの写真は、肌の色に合わせると左の4430kになりますが、周囲が青みがかってしまいロケーションの利点を活かしきれていません。少しオレンジに飽和する程度に色温度を6500kまで上げてみると、イメージに近い雰囲気になりました。

ホワイトバランスを理解しイメージにあった写真へ

このように、ホワイトバランスを調整することでも写真表現を広げることができます。「爽やか」「温かい」「スッキリとした」「感傷的な」など、色温度で表現できる要素はいろいろあるので自分に合った写真表現の一歩として活用してみてください。

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