魅惑の35mm、1950年代のフランスレンズはどんな写りをする?

こんにちは。万城目瞬です。

私は日々オールドレンズを使用してスナップを撮影しているわけですが、今回はその中の1本であるP.Angenieux RetroFocus 35mm/f2.5 R1 (アンジェニュー レトロフォーカス)」を紹介していきます。

このツイートでも作例は公開していますが、もっと深くこのレンズの奥深さを知ってもらえたら嬉しいです。

Sony α7Ⅲにマウントアダプター(EXAKTA-OES & EOS-NEX)を介して装着しています。

このレンズはフランス製で老舗の映画レンズを作っていたアンジェニュー社のレンズになります。

フランスっぽい特有の写りをするので、他のドイツや国産には見られない写りを見てみてください。多くの作例を元にこのレンズの写り、描写の面白さを解説していきますので是非お楽しみください。

レンズの歴史

P.Angenieux RetroFocus 35mm/f2.5 R1はフランスのシネレンズなどで有名な老舗光学メーカー「P.Angenieux」社によって1950年代に生み出されました

なんとこのレンズは、世界で初めて一眼レフで使用できる広角レンズとして設計され製造されました。

そのレンズの構成は「レトロフォーカス型光学系」といい、後世のレンズに影響を与える存在になりました!

このレンズは本当に中古市場で見つかりません。私もネットでたまたま見かけて、すぐに店舗にすっ飛んできました。見つかったら、すぐ買うことをおすすめします。

なぜなら、このレンズは玉数が少ないため価格が高いです。マウントによっても値段が違いますが、少なくとも9万円〜13万円くらいが相場といったところでしょうか。

価格は高いですが、これからもっと高くなっていくことが予想されますし資産として持っておくのも一興かなと思います。

描写の特徴

このレンズの描写の特徴は奇抜なものではありませんが、 1950年のフランスらしいノスタルジックな描写、柔らかく解像度が高い、そして上品な写りを見せてくれます。大きく分けて、以下のような特徴を作例を元に解説していきます。

・しっかりした解像感
・独特のボケ味
・時々現れるクセの強い描写

しっかりした解像感

柔らかも解像度が高いアンジェニューの解像感を見ていきましょう。

夜の場合

まずは夕暮れと夜の写真を見ていきます。

正直すごくないですか?70年前のレンズがこんな描写と解像感をもたらしてくれるのです。どこか現代レンズとは違う味わいが感じ取れるのがわかるでしょうか?これらの写真はだいたいF8〜F16の間で撮影をしています。

オールドレンズでも完成度の高いレンズは絞ると現代レンズと負けず劣らない性能とオールドレンズらしい不思議な描写を得られるので、同じ風景や被写体を撮っても少し雰囲気が違うように写るのが面白いところですね。

35mmという画角とこの描写が相まってなんとも不思議な感じの写真になっているのではないでしょうか?

昼の場合

昼の場合だとこんな描写になります。

光の描写もとても綺麗で、破綻のない解像感が写真になっています。このレンズは光の処理がどうも不思義なことが多くて、カリッとしたりふわっとしたりいつもレンズに振り回されながら写真を撮っています。

独特のボケ味

次はアンジェニューの独特なボケ味です。

この写真は開放で撮っています。アンジェニューの開放は絞った時の解像感とは違い、ふわふわとした白いベールをまとったようなボケになることが多いです。

この現象が起こすには光の調整が難しいのであまり出来てはいませんが、たまに狙った通りの描写を引き起こせると楽しくなります。こういう感じの撮影が出来るものオールドレンズの醍醐味の一つです。

このレンズは意外と年代の割に逆光耐性が強く、太陽をレンズの中に入れて撮影してフレアで白くなったり、ゴーストがバンバン出るレンズではありません。

作例ではゴーストを入れている作例を出しましたが、ほぼ出ないと思ってもらって構いません。

おそらく女性ポートレートを撮る時にこのレンズを使うと、女性の優しさを表現出来る写真になるのではないかと思います。

時々現れるクセの強い描写

アンジェニューらしい写りを体感したいなら、是非アンダーな場所を撮ってみると線の細いやわからな描写が見られます。以下の作例をご覧ください。

光量の少し足りていない場所を撮ると、コントラストが低めになり描写が少し滲んでる感じになります。

この滲みがフランス独特の滲み方なのかなと思います。ズマリットの記事でも滲みについては紹介しましたが、私はこのフランス独特な滲みの出方も好きで素敵だと感じています。

光がある写真も見てみましょう。

ハイライトとシャドウのバランスがとても好きでバランスが良い感じになっています。光の再現がとてもノスタルジックで好きな描写の一つです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?このレンズでポートレートを撮ったことはありませんが、スナップ及びポートレート、ネイチャーまで活躍するようなレンズではないでしょうか?

特に開放付近と絞ったときの描写でだいぶ差があり、
・コントラストの低い滲みの開放
・線の細いしっかりとした解像感

ここらへんの美味しいところを味わえるのはさすがの一言です。フランス製レンズ特有のノスタルジックで表情の違う描写、時折現れる一期一会の描写のじゃじゃ馬感を是非体験してほしいです。

1950年代のフランス製レンズだけでもコレクター精神をすぐる感じもいいですし、なによりこのレンズは資産になります。多分10年後には20,30万円超える可能性もあるので買っておいて本当に損はないと思います。

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万城目 瞬
万城目 瞬
▲フォトグラファー。▲Webメディア「DopeZine」 @dope_zine 運営者。 ▲毎日19時台にオールドレンズでのスナップを中心に写真投稿しています。▲note: http://note.com/manjome
万城目 瞬
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