写真には季節が映る。そしてストーリーが始まる。
はじめてMiyachiと申します。
普段からゆるいnoteを書いている僕ですが、お誘いをいただきDopeZineへ投稿させていただくことになりました。
僕は散歩へ行くときも、仕事へ行くときも、どんな時もカメラを持ち歩いて撮ります。「僕の日常」を散歩しながら撮っています。僕の写真にはカメラと同時に付き合いを始めた「まり子」の存在があります。大学生の頃に出会い、2018年に入籍…付き合いは8年以上です。カメラを無理して買ってからまり子と行く先の風景とともに撮ってきました。
季節とストーリーを写し出す構図の作り方
僕は観光も撮影スポットも下調べ無しに散歩ついでにまり子を撮ります。
その瞬間の季節と風景とストーリーを意識したポートレートを常に意識して撮影しています。そして、その瞬間を写し出すには構図が非常に重要な鍵となります。今回、季節と風景とストーリーを意識した構図を解説していきます。ストーリーが思い浮かぶ写真は必然と面白い写真となります。
桜と「春」
まり子と桜を見に散歩へ出かけた日。ここで撮りたい。この場所良さそう。そのような下調べはせず「とりあえず桜でも見に行こうか」と家を出ました。桜スポットは人が多いし電車に乗って桜が咲いてる川沿いでも歩いてみようかと、電車を途中下車をして桜の綺麗な場所を散歩しました。綺麗な桜並木と歩道橋を見つけました。
この写真からどのようなストーリーが思い浮かびますか?
・桜の咲く春の季節
・桜を撮るまり子
・歩道橋を歩いてきた
というストーリーじゃないでしょうか?
この時の構図で考えていた事を写真にペンを入れてみました。
この時の構図にはストーリーを連想させるためのテクニックがあります。
- 奥行き
歩道橋に奥行きがあり、まり子の足までが写っている状態にして、このあと歩き出すような桜の咲く春らしい未来のあるストーリーを連想させる。 - 対角線構図と三分割構図
対角線構図を考慮し道と風景を分割させ、二次元の桜と三次元の歩道橋の世界を分けました。世界をわけたことにより、写真にメリハリが生まれます。
さらに、構図の基本は三分割構図。三分割の位置にまり子が来るように注意します。 - ストーリー
まり子が視線方向にゆとりや空間をもたせる。
今回の場合は桜が二次元の空間。視線の先を広々とすることで未来や明るい雰囲気になります。
この視線がポートレートのストーリーの軸となります。
視線の空間テクニックはポートレートで何でも応用できるので覚えておくと便利です。
視線の先の空間を少なくするとシャープな雰囲気や過去を連想させる写真になるので使い分けてください。 - プラスαテクニック
この様に規則正しい奥行きを感じる写真には、スッキリと見せるために水平線に気をつけましょう。
少しでも傾いてしまうと意識がもってかれてしまいます。
もし傾いたら現像時に必ず修正しましょう!
雲と「夏」
空は青々と広がり、自然が青々と輝く季節です。それに夏の思い出は日本人にとって特別な感覚があるはずです。夏休みを思い出して、どこかセンチメンタルな気分になったりします。この写真は京都を散歩したときの写真です。地元民しか来ないであろう公園で休憩した時。
ちょっとストーリーがぐちゃっとしていますよね。グチャッとした写真も色々連想させて面白い写真です。建物を建設中のクレーンや公園にありがちな休憩中のタクシー。何故かカバの上にまり子。夏らしい青空と雲。ぐちゃっとしていて何がなんだかわかりません。
「春」で説明したテクニックを思い出してください。視線の先が気になりませんか?なにかあるんじゃないか?そんな想像力が湧いてくる情報の多い写真です。
この写真は三分割構図と視線の先を意識しながらなんとなく撮っただけの写真です。三分割と視線の先を意識するだけでなにかストーリーがある気がする写真となります。視線の先に空間を配置するだけで想像力や何かを探してしまう。ちょっとしたテクニックで好奇心を刺激する写真となります。
紅葉と「秋」
秋といえば紅葉。紅葉を探しに、あてもなく車を走らせました。
Google MAPをチェックしてレビュー数は少ないけど星が多いところを見つけてフラッと寄ってみました。そこには池があり、紅葉にカメラマンが10人群がり。人混みが苦手な僕は全く人の居ない場所を探してみました。撮影スポットじゃないと撮れない写真はあると思います。しかし、撮影スポットの周辺には見向きもされない隠れたスポットが隠れています。そんなスポットを探し出して紅葉とまり子を撮ってみました。
背景の真っ赤なモミジと手前の黄色のモミジが綺麗ですね。
紅葉のトンネル先に橋の上のまり子がいる。
- 奥行き
トンネル状に前ボケを入れることで奥行きが演出できます。
そしてトンネルの前ボケに紅葉が入ることで紅葉がより広く雄大に見えます。 - 三分割構図と日の丸構図
ぽっかり真ん中に真っ赤な紅葉を入れました。日の丸構図は安心感や安定感があり写真にまとまりが生まれます。
そして三分割にまり子。
紅葉とまり子を中心に配置して縦方向のバランスを整えました。 - 視線
橋が少し斜め右肩上がりになっています。この時の視線の流れは斜めに誘導されてしまいます。
この時、右奥は階段があり奥行きを感じるため、奥行きやストーリーを感じるように体を右に向いてもらいました。
これから奥へと歩いて行くのかな?と想像力が働きます。 - プラスαテクニック
ちょっと余計かな?ちょっとストーリーがブレるかな?というものは前ボケで隠してしまうのもテクニックの一つとなります。
何がボケてる?と興味を引くテクニックでもあるので消したい物があるときは前ボケを使ってみましょう。
細かなテクニックですが、池の水面は隠さない様に注意します。池は鏡となり奥行きを延長させる大切な要素となるので可能なら隠さずに活用しましょう。
前ボケは余計な景色を上書きでき、風景がよりスッキリとします。
雪と「冬」
紅葉が散り、雪が舞う季節。雪が降る日は澄んだ空気が気持ちいいですよね。散歩するしかない。雪を踏んでキュッキュと鳴らせながら歩くしかない。寒波が来たあと富士山の見えるところへ行ってきました。(今年は雪不足でちょっとさみしいですね…)
足跡が多く少しノイズっぽく目に入りますが、そこは散歩ついでのポートレート。それよりもこの時の楽しさや雰囲気を写しました。まり子は雪をほとんど体験したことが無いので雪を見ると明らかにテンションがあがります。その瞬間です。
- 奥行き
この写真には「雪」「湖」「富士山」の近中遠の三段階の風景を入れて奥行きを出しています。
風景をはっきり分けることで飛び出す絵本になりそうな構図になりました。
もしローアングルだと湖が見えなくなってしまいますので、中腰になったりして風景のバランスを整えます。 - 三分割構図
風景、まり子、富士山。すべてが三分割に配置されて非常にスッキリとした構図となっています。
このあとの視線の流れから左側は空間をあけて撮影しました。 - 視線
足跡から物語の前が想像させられます。そしてはしゃぎながら向かう先には富士山や湖。
目や顔は見えていませんが視線の空間テクニックをつかって、奥行きと空間のある方へと体が向いて、手前のから奥へ視線を誘導しています。
そして視線の流れが反時計回りとなっています。なので左側は空間を開けて広がりをもたせています。 - プラスαテクニック
この瞬間に何枚か撮ったのですが、この写真を選んだのには理由があります。
まり子の手の形がはっきりと分かる写真を選び、手を広げてウキウキに歩くストーリーを表現しました。
この時に手袋をしていなかったのがラッキーでした。景色の森にまり子の手がはっきりと分離して写っています。
人の輪郭をしっかりと表現することも、撮影時に必要なテクニックです。
まとめ
ストーリーを演出するためには構図が命。構図はカメラの性能に関係なく誰でも実践できます。カメラを構える時、その目の前のストーリーを意識して撮影して。ストーリーが想像できる構図はおのずと写真をより一層と面白くさせます。
はじめは「こんな細かなこと考えて撮影なんてできない!」って思うかもしれません。でも三分割構図と視線の先を考えるだけで写真はかなりレベルアップするはずです。ストーリーある瞬間には視線の先に空間を作り、視線の流れを作ることが重要です。視線の先に空間があることでストーリーの先を想像させます。機材に関係なく誰にでも簡単に実践できることは、
・三分割構図
・視線の先に空間をもたせる
この2つだけ。この2つだけを実践して、説明的な写真からストーリーを感じさせる写真を意識してみましょう。
普段の日常から素敵な一瞬にカメラを向けてストーリーを記録してみませんか?
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